直流と交流の違いとは?仕組み・使われ方・周波数をやさしく解説

基礎知識

乾電池はプラスとマイナスが決まっているのに、コンセントの差込口には向きがありません。この違いの正体が「直流」と「交流」です。この記事では、2つの違いを図でくらべながら、身近な使われ方や周波数の話までまとめて解説します。

直流(DC)とは

直流は、電気の流れる向きと大きさが一定の電気です。英語で Direct Current といい、「DC」と書かれます。

乾電池やスマホのバッテリー、太陽光パネルが作る電気は直流です。プラス極からマイナス極へ、いつも同じ向きに電流が流れます。

交流(AC)とは

交流は、電気の流れる向きと大きさが周期的に入れ替わる電気です。英語で Alternating Current といい、「AC」と書かれます。

家庭のコンセントに来ている電気は交流です。1秒間に何十回もプラスとマイナスが入れ替わっているため、コンセントには極性の決まりが(基本的には)ありません。

直流(DC) 交流(AC) 時間 → 電圧は一定 時間 → + -
直流は一定、交流は+と-が周期的に入れ替わる

直流と交流の違いを表でくらべる

項目直流(DC)交流(AC)
向き・大きさ一定周期的に変わる
主な電源乾電池、バッテリー、太陽光パネル発電所、家庭のコンセント
電圧の変えやすさ変えにくい(電子回路が必要)変圧器で簡単に変えられる
主な用途スマホ・パソコン内部、LED、EV送電、家庭・工場の配電

なぜ送電には交流が使われるのか

最大の理由は、変圧器(トランス)で電圧を簡単に上げ下げできるからです。

電線で電気を送ると、電線の抵抗で熱が出て電力が失われます。同じ電力を送るなら、電圧を高くして電流を小さくしたほうがこの損失は少なくなります。交流なら、発電所で高い電圧に上げて遠くまで送り、家の近くで100V・200Vに下げる、という流れを変圧器だけで実現できます。

電圧と電流・電力の関係は電力とは?やオームの法則とは?もあわせて読むとイメージしやすくなります。

身近な家電は「交流→直流」に変えて使っている

スマホやパソコン、LED照明の中の電子回路は直流で動きます。そのため、ACアダプターや器具内の電源回路で、コンセントの交流を直流に変換(整流)して使っています。

ACアダプターに「INPUT:AC100V」「OUTPUT:DC5V」のように書かれているのは、この変換を表しています。

周波数:東日本は50Hz、西日本は60Hz

交流が1秒間にプラス・マイナスを繰り返す回数を周波数といい、単位は Hz(ヘルツ)です。

日本では、おおむね静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境に、東側が50Hz、西側が60Hzです。明治時代に東京はドイツ製、大阪はアメリカ製の発電機を導入した名残といわれています。

最近の家電はほとんどが両方の周波数に対応していますが、古いモーター機器などは引っ越しの際に銘板の表示を確認しておくと安心です。

補足:100Vの交流の「最大値」は約141V

交流は電圧が常に変化しているので、「100V」は実効値(同じ仕事をする直流に換算した値)で表しています。波形のてっぺんの最大値は、実効値の√2倍、つまり約141Vです。

最大値 = 実効値 × √2(≒1.414)
例:100V × 1.414 ≒ 141V

まとめ

  • 直流は向き・大きさが一定、交流は周期的に入れ替わる
  • 送電に交流が使われるのは、変圧器で電圧を変えやすいから
  • 周波数は東日本50Hz・西日本60Hz、100Vは実効値で最大値は約141V

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参考文献

  • 電気設備に関する技術基準を定める省令(経済産業省)
  • 電気学会『電気工学ハンドブック』
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